INTERVIEW

2018.11.26UP|レポート

2018年9月の梨生産体験レポート by 多並さん

石川県加賀市での梨生産体験コース。今回は、以前に体験参加者インタビューをさせてもらった事もある多並さんにレポーターをつとめてもらいます。多並さんはなんとこの11月から加賀に移住することになりました。その辺りの話もぜひ読んでみてください。

防蛾灯が点灯する、早朝の梨園防蛾灯が点灯する、早朝の梨園

はじめまして、多並です!うまくレポートできるか不安ですが、早速書いていきたいと思います。
今回レポートする9月の体験コースには、私を含めて全部で7人が参加していました。収穫時期なのでけっこう人数が多かったです。2回目の体験参加の人もいました。ちなみに私は何回来たかわからないくらい参加していまして…たぶん13〜15回目くらい?最近加賀に行くと「おかえり」って言われます(笑)

体験1日目

さて、初日はなんばに集合して、車で加賀に出発!到着したらすぐに選果場(収穫した梨を選別したり箱詰めするところ)に向かいました。はじめに農家さんから作業方法のレクチャーを受けて、ダンボールに梨を詰める人、ゆうパックにテープを貼ったりダンボールを作ったりする人に分かれて作業しました。

選果場での作業の様子選果場での作業の様子

私はレーンの始めの所で、一番品質がいい「秀」と、それより少し品質が落ちる「丸秀」に梨を分けていく作業をさせてもらいました。10数回体験に来てますが、初めてやらせてもらった作業です。 ここでちゃんと選別しないと、スーパーに並べられた時に「品質が良くない」って言われて買ってもらえなかったら…という怖さと責任感を持ちながらやってました。けど、悩んでると時間が経ってもったいないので、初めはむっちゃ悩んでたんですけど、だんだん慣れてきて、一瞬で「セーフ、セーフ、アウト…」とスピーディーにできるようになりました!

この日はそんな感じで夕方まで選果作業をやって、終わった後は「すゞや今日楼」という山中温泉の旅館に行って、ご飯を食べたり温泉に入ったりして1日目終了です。私は女性の体験者さんたちと一緒の部屋でしたが、その子たちは友達同士なので雑談してたけど、私は明日に備えて早々に寝ました(笑)。

すゞや今日楼の晩御飯すゞや今日楼の晩御飯

体験2日目

朝7:30から梨の収穫でした!今回は豊水の収穫です。農家の人はみんな、豊水のことを「ゆたか」って呼んでいます。幸水と豊水があって分かりにくいから、そう呼んでいるそうです。今回の収穫は舟川さんという若手の園主さんの所で体験させてもらいました。舟川さんの所では洋楽が大音量でかかっているので、優雅に音楽を聴きながら作業します(笑)音楽ガンガンに流してる農家さんは多いです。

収穫は、まず色味を見ます。豊水は赤みがかっているものを選ぶんですけど、熟し過ぎていても日持ちしないので、全体が赤くなりそうなちょっと手前くらいのものを取る目安にします。あとは、触ってみてツルツルだったら収穫適期です。大きさは250g以下のものは出荷できないので、250g以上のもの。今年は雨が降らなくって梨が小さくて、250gギリギリのものが多くて、ちょっと難しかったです。

美味しそうに実った梨の実美味しそうに実った梨の実

梨ってほんと繊細なので、枝にぶつかって傷がつかないようにとか、来年の芽になる所を傷つけないようにとか、気にしながらとります。取れたら収穫バサミでヘタを短く、深めに切ってカゴに入れていきます。収穫中、とれたての梨をみんなで味見させてもらいましたが、すごく美味しくてみんなとても喜んでいました!10時〜は昨日同様の選果作業をして、午後から台風が来るということで、この日は12時までの体験になりました。

体験3日目〜最終日

3日目は前日が台風だったこともあって、ゆっくり10時スタートで、1日選果作業でした。私以外のみなさんは二泊三日体験だったので夕方までには帰っていって、そこから最終日までは、私と泉佐野アグリカレッジの担当者さんとで作業です。基本的に7:30くらいから収穫をして、10時くらいから夕方まで選果場での作業をするスケジュールでした。間に1日休みがあったんですけど、結局寝て過ごしました(笑)

これからのこと

そんな感じで1週間の体験は終わったんですが、実はこの11月に加賀に移住して、この体験先の奥谷梨生産組合で働かせてもらう事になりました!前々から移住したいと言っていたら農家さんが声をかけてくれて…これから奥谷梨生産組合の組合長の下で見習いという形で始めさせてもらって、ゆくゆく園主になれるような知識と自信がついたら面積をもらって一人で梨を育てていくことになります。できれば向こうで結婚して、子供もできて、梨園をやっていくというのが理想です(笑)。

加賀のとある風景加賀のとある風景

実は私、はじめは青森のリンゴ生産体験に行くつもりで、梨は好きじゃなかったんです(笑)。けど、偶然梨体験の方に来る事になって、とりあえず見てみようっていう気持ちで体験しに来て梨を食べたら、とびっきり美味しくて。梨ってこんなに美味しかったんやって思って、こんなに美味しい梨を育てる人、すごいなって思って。 入り口はそんな感じでしたけど、加賀市の人達はすごく優しいし親身になってくれるし、梨もやればやるだけ答えてくれる。あれも不安でこれも不安でって言ってたら飛び込めないなあっていうのもあったし、ちょうどいいタイミングだったのもあって、今回移住を決めました。

これから体験に来る人たちは、たぶん初めての場所や環境だし、飛び込むって難しいかもしれないですけど、とりあえずどんな所なのか、体験しに来てもらったらいいんじゃないかなって思います。それで、ここ面白いなぁとか楽しいなぁとか、そういうのをちょっとづつ見つけていってもらえたらいいですね。

多並さんは、泉佐野アグリカレッジでの体験をキッカケに移住をする、はじめてのケースになりました。これから体験に参加する人の先輩ですね。多並さん、レポートありがとうございました。